こんにちは、トシゾーです。
宅建の試験に合格して宅地建物取引士(宅建士)になると、就職や転職で大いに役立てることができます。
しかし、宅建の取得だけで満足するのではなく、他の資格とのダブルライセンスを目指すのも選択肢の一つです。
ここでは、宅建と他の資格のダブルライセンスをおすすめする理由をまとめてみました。
- 関連する分野の資格を組み合わせることで、より価値の高い情報やサービスを提供できるようになる
- ある分野のエキスパートを目指すことで、就職や転職で自分をアピールできる
- 複数の資格の相乗効果によって自分の評価が更に上がる
宅建の資格があれば、不動産業界に限らず、金融・保険など他業種でも知識・ノウハウを活かして働くことができます。
さらに、他の相性の良い資格をダブルライセンスとして取得すれば、業務の幅を広げたり、他の同業者と差別化して、収入をアップさせることもできるでしょう。
この記事では、宅建と相性のよい、ダブルライセンス向きの資格をご紹介します。
今よりもステップアップしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
宅建とファイナンシャルプランナーのダブルライセンス
宅地建物取引士(宅建士)とファイナンシャルプランナー(FP)は相性の良い資格です。
ファイナンシャルプランナー(FP)とは顧客に対して資金計画やアドバイスをする資格で、宅建とのダブルライセンスが向いている理由を見ていきましょう。
- 最初に宅建の試験に合格していれば、FPの試験科目の不動産に活かすことができる
- 不動産の取引は大金が動くため、資金計画を見据えたアドバイスやサポートをお客様に提供できれば大きな付加価値となる
- 資金繰りの方法の提案や不動産投資による長期的な運用方法のアドバイスができる
宅建士に不動産の知識が必須なのは当然ですが、ファイナンシャルプランナーも「顧客の資産としての不動産」を扱うため、不動産に関する深い知識が必要です。
また、宅建士も不動産の知識だけあれば良いわけではありません。ファイナンシャルプランナーが持つ「土地税制・住宅ローン控除」など、土地に関する金融系知識を備えておけば、顧客に対して有益な情報をタイムリーに伝えることができます。
つまり、不動産業界・金融業界のいずれかに就職や転職を考えている人にとって、宅建とファイナンシャルプランナーの資格、両方とも役に立つのです。
なお、宅建とFPとのダブルライセンスについては、以下の記事でより詳しく説明していますので、よかったらチェックしてみてください。
宅建とマンション管理士のダブルライセンス
不動産業界の三大資格と言えば、宅建と管理業務主任者、そしてマンション管理士です。
マンション管理士はマンション管理組合の運営サポートが主な業務で、具体的な仕事内容には以下のようなものがあります。
- 大規模修繕計画の作成
- 共有設備のメンテナンス
- 建物保全のための取り組み
- 区分所有者間のトラブル仲介
- マンション管理のコンサルティング
マンション管理士は宅建よりも合格率が低い難関の資格ですが、ダブルライセンスを持っているとマンション管理分野の専門性も獲得できます。
宅建士は物件の売買・賃貸に関する業務が主であり、マンション管理業務を行う不動産会社などでは、宅建士とマンション管理士のダブルライセンスは有効でしょう。
ただし、宅建士が独占業務のある資格なのに対し、マンション管理士には独占業務がありません。
また、前述のようにマンション管理士のほうが難易度が高く、一般に宅建に合格するためには300時間が必要と言われますが、マンション管理士の場合は合格まで600時間が必要と言われています。
このように、マンション管理士の資格は簡単に取得できるものではないので、「本当に自分のキャリアにとって、マンション管理士の資格が有効か」という点を勘案し、マンション管理士とのダブルライセンスを目指すかどうか、判断してください。
なお、宅建とマンション管理士とのダブルライセンスについては、以下の記事でより詳しく説明していますので、よかったらチェックしてみてください。
宅建と管理業務主任者のダブルライセンス
不動産系の国家資格の中で有名なのは宅建ですが、管理業務主任者も忘れてはいけません。
「管理業務主任者」は、主にマンション管理業者(管理会社)に必要な資格です。
マンション管理組合(マンション住人側)等にたいして、マンション管理業者が管理委託契約にについての重要事項を説明したり、管理事務に関する報告を行ったりする際に必要となる国家資格者のことです。
「マンション管理士と同じなのでは?」とイメージしている方は多いものの、管理業務主任者は次のような違いがあります。
- マンション管理士は主にコンサル業を行う
- 管理業務主任者はより実務的な仕事を行う
宅建と管理業務主任者は試験内容や試験範囲が似通っていますので、ダブルライセンスでおすすめの資格です。
2つの資格を合わせて取得してダブルライセンスになれば、不動産業界でより活躍できるのは間違いありません。
なお、宅建と管理業務主任者とのダブルライセンスについては、以下の記事でより詳しく説明していますので、よかったらチェックしてみてください。
宅建と行政書士のダブルライセンス
行政書士とは、官公庁へ提出する書類を作成したり、契約書や内容証明を作成するなど、国民に身近な法務サービスを実施する人のことを指します。行政不服申立て手続きの代理等を行うこともあります。
行政書士も宅建とのダブルライセンスでおすすめの資格で、物件の売買では各種契約書の作成手続きが必要になるからです。
行政書士が取り扱うことのできる書類の数は、何と10,000種類以上と考えられています。
不動産の売買や契約でも欠かせない部分ですので、宅建と行政書士の資格を合わせて取得した方が良い理由は何となくおわかり頂けるのではないでしょうか。
試験勉強においても民法などの被る科目があるため、「宅建の試験に合格」⇒「その知識を活かして行政書士に合格」とダブルライセンスを目標にすることは、無理なことではありません。
ただ、どちらの資格も難易度が高く、合格率は低いです。簡単に取れる資格ではないので、毎日の学習を効率良く進めていくことが大切です。
なお、宅建と行政書士とのダブルライセンスについては、以下の記事でより詳しく説明していますので、よかったらチェックしてみてください。
宅建と中小企業診断士のダブルライセンス
不動産業を専門領域にするのであれば、宅建と中小企業診断士のダブルライセンスがおすすめです。
宅地建物取引士(宅建士)が不動産のスペシャリストなのに対して、中小企業診断士は中小企業を対象に経営コンサルタントをしていきます。
宅建と中小企業診断士のダブルライセンスを取得すると、開業及び転職の両面において企業側から高い信頼を獲得できるでしょう。
どちらかと言うと最初に中小企業診断士の試験に合格し、その後にステップアップする目的で宅建の資格を取得する方が多いですね。
しかし、宅建と中小企業診断士の試験内容は遠い存在ですので、並行して学習するのは難しいと心得ておいてください。
※宅建と中小企業診断士のダブルライセンスについて詳しくは下記記事も参考にしてください。
https://shindan-model.com/shindanshi-takken-w-liecnse/
宅建と司法書士のダブルライセンス
「宅建と司法書士はあまり関係性がないよね?」とイメージしている方はいませんか?
しかし、両方とも不動産に関連した業務がありますので、ダブルライセンスを目指すの選択肢の一つです。
宅建と司法書士のダブルライセンスは、「仕事内容に対するやりがいがアップする」「キャリアアップを念頭における」など、プラスアルファに働く部分があります。
実際にダブルライセンスの保持者は増えていますが、下記の2つの点に注意が必要です。
- 司法書士が専任の宅地建物取引士(宅建士)としての兼業は不可能
- 不動産業を法人として兼業することはできない
それぞれの資格に定められた規定を満たす必要があるため、本当に宅建と司法書士の両方の資格を取得すべきなのか考えてみましょう。
なお、宅建と司法書士とのダブルライセンスについては、以下の記事でより詳しく説明していますので、よかったらチェックしてみてください。
宅建と不動産鑑定士のダブルライセンス
不動産鑑定士は日本全国に9,000人程度しかいない希少価値の高い国家資格です。
不動産鑑定士の主な仕事内容は物件の鑑定評価業務で、どのくらいで売却できるのか金額を算出したり不動産の投資判断材料を作成したりしていきます。
公正な立場から不動産の価値を算出するのではなく、クライアントに対してコンサルティング業務を行う不動産鑑定士も少なくありません。
不動産業界と深く関わっている資格ですので、宅建とのダブルライセンスは非常におすすめです。
宅建の試験に合格してから不動産鑑定士の勉強を始めてダブルライセンスになれば、実際の現場と価格算定の理論を合わせてより良い仕事ができます。
自分の市場価値を高められますが、不動産鑑定士の短答式試験の合格率は約25%、論文式試験の合格率は約10%と低いのが難点です。
宅建と土地家屋調査士や測量士補のダブルライセンス
土地家屋調査士や測量士補がどのような資格なのか簡単に見ていきましょう。
- 土地家屋調査士は土地の測量および表示に関する登記のプロフェッショナル
- 測量士補は土地の位置・距離・面積を測量する仕事
両方とも不動産と深く関わっていますので、宅建とのダブルライセンスで業務の幅を広げることができます。
将来的に独立開業する予定の宅地建物取引士(宅建士)は、土地家屋調査士や測量士補の取得も目指してみてください。
宅建と税理士のダブルライセンス
宅建と税理士は、組み合わせて活きる資格です。
ダブルライセンスで宅建士の不動産知識×税理士の税法知識を兼ね備えていれば、不動産の運用に関する具体的なアドバイスや提案を顧客にできるのです。
相続税法の改正で税理士業務が増えていく中で、専門的な対応ができる宅地建物取引士(宅建士)は重宝されるでしょう。
しかし、国税庁が発表した平成29年度の税理士試験の合格率は、下記のようにどの科目も低くなっています。
簿記論:14.2%
財務諸表論:29.6%
所得税法:13.0%
法人税法:12.1%
相続税法:12.1%
消費税法:13.3%
酒税法:12.2%
国税徴収法:11.6%
住民税:14.3%
事業税:11.9%
固定資産税:13.3%
宅建よりも難しい試験ですので、合格までに長い期間がかかると心得ておいてください。
【参考】本記事執筆にあたり、以下の税理士事務所のWebサイトを参考にさせて頂きました。
宅建と社労士のダブルライセンス
社労士は労働関係の手続き代行をしたり、企業の適正な労働環境の維持・改善の取り組みのためのコンサルティングなどを行う国家資格です。
不動産分野の専門家である宅建と社労士とでは専門分野が異なる為、直接的にダブルライセンスの効果があるわけではありません。
しかし法人のお客様・これから起業するお客様などの不動産は取引の時に、お客様の会社の人事労務などについて相談を受けるうち、仕事に繋がったり顧問契約に結びついたりすることもあるでしょう。
つまり、法人向けに展開する宅建業であれば、社労士と見込顧客のターゲットが被るため、相乗効果に繋がりやすい、といえるのです。
宅建と弁護士のダブルライセンス
いわずと知れた、法律系の最上位の資格。
「弁護士」を知らない人はいないと思いますが、「弁護士資格があるだけで、他の法律系資格の登録もできちゃう」ことを知らない人は多いのではないでしょうか。
弁護士が登録できる資格は「税理士」「社労士」「弁理士」「行政書士」「海事保佐人」です。また、「司法書士」の登録はできないものの、弁護士が司法書士業務を行うことはできます。
このように、弁護士とはジョーカーのような、オールマイティな資格なのです。
さて、本題の「弁護士と宅建のダブルライセンス」ですが、結論から言えば、とても相性がよいです。
不動産業は非常に大きな業界ですし、それだけビジネスの機会も転がっっています。
また、不動産の売買・遺贈・贈与など、金額が大きいだけに法律問題で揉めることが多い分野でもあります。
そんな界隈に、不動産に詳しい弁護士がいたら引く手あまたになることは、想像に難くないですよね。
ただ当然ながら、誰もが簡単に取れる資格ではありません。弁護士(司法試験)を目指す方のほとんどは、仕事を辞めて学業に専念することが多いです。
学業専念の間、生活費をどうするか、という問題もありますので、弁護士と宅建のダブルライセンスを狙える方は、本当に限られてくるでしょう。
文系の多い宅建受験生には、理系科目が苦手な人が多いでしょう。理系的な考え方を強化したい人がいましたら、「理科検定」がオススメです。
「理検」理科検定(実用理科技能検定)は理科の学習者を積極的に顕彰・評価し、日常生活に役立つ科学的な知識やものの見方を高め、次代を担う技術や地球環境の維持に必要な基礎力を養います。
ダブルライセンスがあれば、独立・開業の成功確率が高まる!
宅建業で独立・開業を考える際にも、ダブルライセンスは有効です。
まず、ダブルライセンスがあれば、独立・開業する際に、他社と差別化し、かつ収入を複数から得ることも可能になります。
上記で説明したとおり、宅建以外にFP(ファイナンシャルプランナー)や行政書士などを取得すれば、そちらの業務で仕事を請けることもできます。
もちろん、本業(宅建業)においても、ダブルライセンスは有効に使えます。
たとえば、FPの資格を取得したとしましょう。
本業の不動産業においても、FP資格者は損害保険や火災保険、資産形成などの知識がありますから、お客様から
この不動産屋さんは、保険や資産形成についても詳しい
と、選んで頂きやすくなるでしょう。
また、行政書士とは様々な許認可の書類作成を代行する仕事です。
宅建士に加えて行政書士の資格も持っていれば、あなたと同じ不動産業の知人が許認可の申請等をする際に、頼まれるケースも増えるでしょう。
以上のように、業務上で関連のある資格をダブルライセンスとして取得すれば、あなたが独立・開業する際うの差別化、ブランディングにつながります。
たんに「宅建の資格を持っている」だけでは、多くの人々のなかに埋もれてしまいます。
ダブルライセンスの取得は、あなたをブランディングして独立・開業の成功確率を大きく高めることになります。
なお、独立・開業の失敗しない方法について詳細は、下記の記事をご覧ください。
まとめ
宅建の試験に合格して満足するのではなく、更なる高みを目指して他の資格を取得してダブルライセンスを持つ努力をしてみましょう。
ファイナンシャルプランナーやマンション管理士、中小企業診断士や不動産鑑定士などおすすめの資格はたくさんあります。
このように、宅建の資格は、様々な資格と組み合わせることにより、無限の可能性が広がる、と言っても過言ではありません。
これから宅建の資格を取ろうと考えている方は、自信を持って頑張って欲しいと思います。
【参考】本記事の執筆にあたり、以下のWebサイトの統計データを参考にしました。
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