宅建について

宅建の登録実務講習(実務講習)の難易度は?おすすめの実施機関はある?

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宅建の実務講習(登録実務講習)とは?

宅地建物取引士資格試験に合格しても、すぐに実務ができるわけではありません。

不動産の取引業務など2年以上の実務経験を有する者は試験に合格してから宅建士登録を受けられるのに対して、実務経験が2年に満たない方は宅建の実務講習を受ける必要があります。

資格登録に必要な実務経験の詳細については、下記記事を参考にしてください。

宅建の実務経験
【宅建の実務経験】資格登録に必要な実務経験の定義や証明方法とは?!宅建士として働くには資格登録の必要あり! 「宅建の試験に合格すればすぐに宅建士として働けるでしょ?」とイメージしている方はいませんか?...

 

宅建の実務講習(登録実務講習)とは、公益財団法人不動産流通推進センターが国土交通大臣の登録を受けた機関で実施されている講習のことです。

宅建士登録をして宅地建物取引士証の交付を受けないと、宅建士としての業務を行うことはできません。

  1. 宅地建物取引士資格試験に合格した時点では「宅建士試験合格者」
  2. 資格登録を行うと「宅建士資格者」
  3. 宅建士証の交付を受けた人は「宅建士」

上記のように宅建士として働くには資格登録が必須ですので、実務経験が2年に満たない者は実務講習を受ける必要があります。

宅建の実務講習を修了すると、「2年以上の実務経験を有する者と同等以上の能力を有する者」として認められるのです。

宅建の実務講習を実施している機関と受験会場

宅建業の実務経験が2年に満たない方が宅建士登録を受けるに当たり、どの実務講習でも良いわけではありません。

宅地建物取引業法施行規則第13条の16第1号に基づき、国土交通大臣の登録を受けた機関が実施する実務講習に合格するのが条件です。

このページでは、宅建の実務講習を実施している代表的な機関と受験会場についてまとめてみました。

東京リーガルマインド:「全国31ヵ所」
日建学院:「全国38都道府県」
TAC:「北海道」「仙台」「東京」「神奈川」「埼玉」「名古屋」「京都」「大阪」「神戸」「広島」「福岡」
総合資格:「全国47都道府県」
九州不動産専門学院:「九州」「沖縄」
日本ビジネス法研究所:「北海道」「仙台」「東京」「横浜」「大宮」「千葉」「静岡」「名古屋」「大阪」「広島」「福岡」
TAKKYO:「東京」「名古屋」「大阪」「仙台」「岡山」「博多」
職能研修会:「神奈川」
Social Bridge:「大阪」
Kenビジネススクール:「東京」
ハートステーション:「神奈川」
プライシングジャパン:「東京」
新潟県宅建サポートセンター:「新潟」
アットホーム:「東京」「神奈川」
クレールAI:「東京」
住宅新報
宅建ダイナマイト合格スクール株式会社
株式会社 おおうら(自習室うめだ)
TOP宅建学院 一般社団法人 日本就職支援協会

LEC東京リーガルマインドや日建学院、TACや総合資格等は全国展開しており、多くの主要都市で受講できます。

どの機関を利用して宅建の実務講習を受けたとしても、授業内容に大きな違いはありません。

宅建の実務講習を受ける流れや学習内容

宅建の実務講習を修了すれば、宅地建物取引士資格登録を受けられます。

その後に宅建士証の交付を受けて、日々の業務や転職活動に活かせるわけです。

以下では、宅建の実務講習を受ける流れや学習内容について詳しく説明していきます。

宅地建物取引士資格試験に合格した後にどうやって受講すれば良いのかわからない人は参考にしてみてください。

インターネット上で申し込む

宅建の実務講習は、インターネット上で申し込むことができます。

会場ごとに定員が定められていますので、満席になり次第受け付けは終了です。

実務講習の費用は、下記のように国土交通省の登録実務講習実施機関で違いがあります。

東京リーガルマインド:21,000円
日建学院:24,000円(ネット割引で22,000円)
TAC:20,000円
総合資格:20,000円
九州不動産専門学院:早期割引で12,960円
日本ビジネス法研究所:24,000円
TAKKYO:9,500円
職能研修会:15,000円
Social Bridge:20,000円
Kenビジネススクール:12,000円
ハートステーション:不明
プライシングジャパン:11,880円
新潟県宅建サポートセンター:19,800円
アットホーム:不明
クレールAI:7,100円

受験する機関だけではなく、受験会場や受験期日で費用には差が出ています。

Web割引や早期割引を行うところもありますので、インターネットで申し込む前に公式サイトで確認しておきましょう。

自宅で通信講座を受ける

宅建の実務講習に申し込んだ後は、1ヵ月~2ヵ月に渡って自宅で通信講座を受けます。

テキストや問題集、DVDやその他書類が自宅に郵送されてきますので、自分のペースに合わせて宅建の学習を進めましょう。

実務講習の学習内容は、次の「取引士制度に関する科目」と「宅地又は建物の取引実務に関する科目」です。

<取引士制度に関する科目>

・取引士制度の概要
・取引士の役割及び義務

<宅地又は建物の取引実務に関する科目>

・受付、物件調査及び価格査定の実務に関する事項
・媒介契約に関する事項
・宅地又は建物の取引に係る広告に関する事項
・宅地又は建物の取引条件の交渉に関する事項
・法第三十五条第一項及び第二項の書面の作成に関する事項
・宅地又は建物の取引に係る契約の締結に関する事項
・宅地又は建物の取引に係る契約の履行に関する事項
・宅地又は建物の取引に係る資金計画及び税務に関する事項
・紛争の防止に関する事項

これらは法定講習ですので、どの機関で実務講習を申し込んでも取り扱う内容に違いはありません。

スクーリング(講習)を受ける

宅建の実務講習では、1ヵ月~2ヵ月の通信講座が終わった後に申し込み先指定の会場で2日間に渡るスクーリング(講習)を受けます。

スクーリングは自宅ではなく実際の会場で受講する形になりますので、申し込み先指定の会場に行ける機関を選ばないといけません。

ここでは、宅建の実務講習のスクーリングで行う大まかな学習内容を紹介していきます。

<1日目>

ガイダンス:演習1日目の連絡事項
1時限:売却相談受付業務や土地の登記事項の調査
2時限:建物の登記事項の調査
3時限:土地の現地調査及び敷地説明図の作成
4時限:建物の現地調査及び設備表・告知書の作成
5時限:生活関連施設の調査
6時限:法令上の制限の調査(1)や都市計画法・建築基準法
7時限:法令上の制限の調査(2)やその他の法令等の調査
ガイダンス:演習2日目の連絡事項や説明

<2日目>

ガイダンス:演習2日目の連絡事項
1時限:重要事項説明書の作成
2時限:売買契約書の作成
3時限:重要事項説明書と売買契約書の作成
4時限:重要事項説明書と賃貸借契約書の作成
5時限:重要事項の説明方法と売買契約内容の留意点
ガイダンス:修了試験時の注意事項に関する説明

1日目のスクーリングは9時30分~18時30分、2日目は9時30分~18時までです(実施機関によって変更する場合があります)。

スクーリング会場や持ち物に関しては、1週間くらい前に届く「宅建登録実務講習 受講票」に記載されていますので、忘れずに目を通しておきましょう。

修了試験を受ける

宅建の実務講習の修了試験は、2日目のスクーリング(講習)の後に行われます。

2日目の5時限が終わり、ガイダンスで注意事項に関する説明を受けた後に修了試験を受ける流れですね。

以下では、宅建の実務講習の最後に行われる修了試験の概要についてまとめました。

出題範囲:自宅の通信講座やスクーリングで学習した内容
出題形式や問題数:○×式が20問、記述式が20問
試験時間:60分間
修了要件:○×式と記述式それぞれ8割以上の正解

修了試験で8割以上の得点の方に宅建実務講習修了証が交付されます。

宅建実務講習修了証が交付されると宅建の実務講習は終わりで、宅建士登録を受けられるわけです。

宅建の実務講習の難易度は高いの?

「宅建の実務講習の修了試験は難易度が高いのでは?」と不安を抱えている方はいませんか?

確かに、最後の修了試験では○×式と記述式の両方の問題を8割以上正解しないといけないため、何となく難しそうだとイメージする気持ちはわかります。

しかし、宅建の実務講習の修了試験は本試験の宅地建物取引士資格試験とは違い、受験者を落とすのが目的ではありません。

宅建に関する正しい知識を習得して皆さんに合格してもらうための講習ですので、素直に勉強してスクーリング(講習)をしっかりと受けていれば合格できます。

実務講習を実施しているサイトでは、修了試験の合格率が98%~99%と記載されていました。

余程のことがない限りは、無事に登録実務講習修了者と認定されるわけです。

万が一最後の修了試験に落ちてしまっても、1回だけ無料で再受講ができます。

もちろん、多くの方が1回目の修了試験で合格していますので、「自分は受からないのでは・・・」と心配しなくても大丈夫です。

まとめ

以上のように、国土交通大臣の登録を受けた機関で行われている宅建の実務講習についてまとめました。

実務経験が2年に満たない方は宅建の実務講習に申し込み、「自宅の通信講座」⇒「スクーリング」⇒「修了試験」という流れで宅建実務講習修了証を交付してもらいます。

宅建実務講習修了証の交付を受けると、宅建士登録が可能です。

宅建の実務講習は難易度の高い試験ではありませんので、余裕を持って学習に取り組んでみてください。

著者情報
氏名 西俊明
保有資格 中小企業診断士 , 宅地建物取引士
所属 合同会社ライトサポートアンドコミュニケーション