宅建について

【宅建の実務経験】資格登録に必要な実務経験の定義や証明方法とは?!

宅建の実務経験

宅建士として働くには資格登録の必要あり!

「宅建の試験に合格すればすぐに宅建士として働けるでしょ?」とイメージしている方はいませんか?

しかし、宅地建物取引士として実際に業務に従事するには、試験に合格してから都道府県知事に資格登録する必要があります。

宅建士の登録申請を行う都道府県は、合格した試験地の都道府県ですね。

宅建士の資格登録は誰でもできるわけではなく、次の3つの要件を満たしているのが条件となります。

  • 宅建士資格試験に合格している
  • 宅地もしくは建物の取引に関する実務経験が2年以上ある
  • 登録の欠格要件に該当しない

宅建士の資格登録に求められる実務経験の定義とは?

宅建士の資格登録には、主に試験の合格と2年間以上の実務経験が求められます。

そこで、「どのような実務経験を積んでいれば宅建士として登録できるの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

宅建士の資格登録に求められる実務経験は、下記を中心に具体的な宅地建物の取引に関する業務に携わっているかどうかと定義されています。

  • 顧客への説明
  • 物件の調査
  • 契約書等の作成
  • 手数料等の授受
  • 帳簿の記載

これらの業務の経験が2年間以上あれば、宅建の試験に合格した後に資格登録して宅地建物取引士証の交付を申請できるわけです。

宅建の試験に合格した段階ではまだ「宅建士試験合格者」ですが、宅地建物取引士証の交付を受ければ「宅建士」になって資格を活かして働くことができますよ。

ただし、宅建業者に勤務して2年間以上が経過していても、「受付」「秘書」「総務」「人事」「経理」「財務」など一般管理業務や補助的な業務は実務経験として認められません。

また、宅建の実務を行っている勤務先の従業者名簿に記載されているかどうかも、資格登録する実務経験の要件です。

宅建業者以外の勤務でも実務経験として認められる場合がある

宅建士の登録要件の実務経験は、必ずしも宅建業者で2年間以上に渡って勤務しないといけないわけではありません。

「宅地もしくは建物の取引に携わっている」という点をクリアしていれば、次のように宅建業者以外の勤務でも実務経験として認められることがあります。

  • 信託会社や信託銀行に勤めている方で、顧客への説明や物件の調査を中心に具体的な宅地建物の取引に関する業務に従事している
  • 国や地方公共団体、またはこれらの出資に伴って設立された地方住宅供給公社などの法人に勤務し、宅地または建物の取得や処分に関する業務に携わっている

宅建の試験範囲ですので学習した方はわかると思いますが、宅建業の免許がなくても宅建業の営業ができる例外規定はあります。

つまり、宅建業者以外に勤務していても実務経験としてカウントされるケースはありますので、2年間以上に渡って携わっていれば宅建士の資格登録の要件をクリアできるわけですね。

宅建士の実務経験の証明方法!

宅建士の実務経験の証明方法は、勤務していた期間について実務経験証明書に記載します。

実務経験証明書には、宅地建物取引業に従事していたことがわかる内容で記入しないといけません。

複数の勤務先に勤めていた方は、それぞれ「免許証番号」「商号や名称」「職務内容」「期間」を実務経験証明書に記入します。

参考:登録申請書・実務経験証明書の記入例及び注意事項について https://www.pref.saitama.lg.jp/a1106/s-touroku-kinyuurei.html

実務経験証明書に必要事項を記入し、従事先の業者から実印を受けると宅建士の実務経験の証明が可能です。

ただし、「自分が役員となっている会社で実務経験を積んでいる」「過去に勤めていた会社が廃業した」というケースでは、実務経験の証明ができません。

その時は現在宅地建物取引業免許を受けている他の業者から実印を受けて、2年間以上の実務経験があると証明してください。

宅建士の実務経験の有効期限は?

宅地もしくは建物の取引に携わっている期間が2年間以上の要件をクリアしていても、宅建士として資格登録できないことがあります。

それは、「宅地建物取引業の実務経験が申請時から過去10年以内」と有効期限が設定されているからです。

かつて顧客への説明や物件の調査など宅建業務に携わっていた経験があっても、他の仕事に勤務して有効期限が過ぎると登録はできません。

宅建士の実務講習の内容

「宅建の試験に合格しても2年間の実務経験がなければ資格登録できないの?」と疑問を抱えている方は多いのではないでしょうか。

しかし、実務経験が2年未満の方でも、宅建士登録実務講習を受講すれば資格登録要件を満たすことができます。

宅建士の登録実務講習は、「通信講座」「講義(スクーリング)」「修了試験」の3部構成!

まず最初に、登録実務講習の通信講座の内容について見ていきます。

<取引士制度に関する科目>
・取引士制度の概要
・取引士の役割および義務

<宅地または建物の取引実務に関する科目>
・受付や物件調査、及び価格査定の実務に関する事項
・媒介契約に関する事項
・宅地または建物の取引に係る広告に関する事項
・宅地または建物の取引条件の交渉に関する事項
・宅地建物取引業法第35条第1項及び第2項の書面の作成に関する事項
・宅地または建物の取引に係る契約の締結に関する事項
・宅地または建物の取引に係る契約の履行に関する事項
・宅地または建物の取引に係る資金計画及び税務に関する事項
・紛争の防止に関する事項

資格専門予備校によって違いはありますが、テキストやDVDを使って取引士制度に関する科目や取引実務に関する科目を学びます。

その後に1日~2日に渡って会場に足を運んで講義(スクーリング)を受講し、修了試験で80%以上正解すれば宅建士の登録実務講習は完了です。

「宅建の試験に合格しても登録実務講習の試験にも受からないといけないの?」と不安を抱えている方はいますが、多くの予備校では合格率が90%以上と高くなっています。

自宅での通信講座できちんと勉強し、講師による講義(スクーリング)を聞いていれば合格できますので安心してください。

宅建の実務講習については、下記の記事も参考にしてください。

TOP宅建学院の講座
宅建の登録実務講習(実務講習)の難易度は?おすすめの実施機関はある?宅建の実務講習(登録実務講習)とは? 宅地建物取引士資格試験に合格しても、すぐに実務ができるわけではありません。 不動産の取引業...

宅建士の実務講習にも有効期限あり!

宅建士の登録実務講習は2年間以上の実務経験の代わりになりますので、宅建業者で働いた経験のない方にとっては嬉しい制度ですよね。

しかし、宅建士の登録実務講習も実務経験と同じで、10年以内と有効期限が設定されています。

つまり、「通信講座」「講義(スクーリング)」「修了試験」の全てをこなしていても、10年が経過していると宅建士の資格登録の要件を満たせません。

お金と時間をかけて受ける形になりますので、登録実務講習を受けた方は忘れずに宅建士としての資格登録を行いましょう。

まとめ

以上のように、宅建士の資格登録に求められる実務経験の定義や、登録実務講習の内容についておわかり頂けましたか?

宅建士の資格を活かして働きたい方は、2年間以上の実務経験か登録実務講習の修了のいずれかの要件を満たしている必要があります。

どちらにしても10年以内と有効期限が設定されていますので、忘れないうちに資格登録の手続きを行ってください。