宅建の登録講習とは?受けるメリットは?
宅建の登録講習とは、宅地建物取引業に従事する方を対象とした講習です。
実務に関する知識を学んだり、業務を適正にするのが目的で行われる講習です。
宅建業に従事していて次の条件を満たしている方であれば、誰でも登録講習を受けられます。
- 受講期間中(受講申請時から修了日までの間)に宅建業に従事していること
- 従業者証明書を、登録講習実施機関等に提示できること
登録講習は宅地建物取引業に従事する者だけが対象ですが、他に資格は必要ありません。
宅建業に勤めて間がない方でも、従業者証明書が発行されていれば登録講習を受講できます。
このページでは、宅建の登録講習を受けるメリットについて詳しくまとめてみました。
宅地建物取引士資格試験で5点が免除される
宅建の登録講習のメリットは、宅地建物取引士資格試験で5点が免除されるところです。
次の3点を満たした宅建の講習修了者には、登録講習修了者証明書が交付されます。
- 通信講習の受講
- 10時間のスクーリングへの出席
- 修了試験での7割以上の正解
登録講習修了者証明書が交付されて試験の5点が免除されるアドバンテージは、皆さんが考える以上に大きいですよ。
登録講習の修了試験に合格してから3年間以内に実施される宅地建物取引士資格試験であれば、5点の免除が適用されます。
既に他の受講者よりも点数を獲得している状態ですし、免除科目の勉強を他の科目に費やすことも可能です。
ゴールまでの大きなリードが実現できますので、宅地建物取引士資格試験の合格を目指す方は登録講習を受けましょう。
宅地建物取引士資格試験の合格率が上がる
一般の受験生と宅建の登録講習を受けた方を比べると、圧倒的に後者の方が宅地建物取引士資格試験の合格率が高くなります。
平成26年度~30年度の宅地建物取引士資格試験で、一般の受験生と宅建の登録講習を受けた方の合格率を比較してみました。
<一般受験者の合格率>
平成26年度:15.6%
平成27年度:14.1%
平成28年度:14.1%
平成29年度:14.3%
平成30年度:14.1%
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<登録講習修了者の合格率>
平成26年度:24.9%
平成27年度:20.2%
平成28年度:20.0%
平成29年度:19.9%
平成30年度:20.6%
参考:https://www.nik-g.com/lessonlist/housing/about.aspx
既に5点の科目が免除されているため、登録講習修了者の方が必然的に合格率が高くなります。
宅建の登録講習修了者が優位であることは、上記のとおり合格率が証明していますので、受講する価値は大きいと言えるでしょう。
なお、宅建試験の5点免除(5問免除)について、詳しくは下記記事で説明していますので、参考にしてみてください。
実務経験期間に関係なく受講できる
上記でも軽く説明しましたが、宅建の登録講習は宅地建物取引業者の従業者であれば実務経験期間に関係なく受けられます。
数ヵ月間の勤務でも数年間の実務経験でも、「宅建業に従事していること」という条件をクリアすればOKです。
パートやアルバイトの方でも、宅建の登録講習を受講して宅地建物取引士資格試験の合格に近づくことができます。
宅建の登録講習の内容をまとめてみた
宅建の登録講習では、次の内容について勉強します。
・宅地建物取引業法その他関係法令
・宅地及び建物の取引に係る紛争の防止
・土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別
・宅地及び建物の需給
・宅地及び建物の調査
・宅地及び建物に係る税務
具体的な講習内容は、「通信講習(自宅学習)」「スクーリング」「修了試験」の3つで、それぞれを詳しく見ていきましょう。
ステップ1:通信講習(自宅学習)
宅建の登録講習の最初のステップは、自宅で学習する通信講習です。
インターネット上で申し込みをすると、自宅に講習のためのテキストが郵送されます。
登録講習の申し込みに必要な書類は主に次の4つです。
・登録講習申込書1通
・写真2枚(縦3cm×横2.4cm)
・受講料を払い込んだ証明書
・宅建業に従事している旨の証明書
約2ヵ月間に渡って自宅学習を行い、宅建の試験に合格するための知識を身につけていきます。
ただし、インターネットでの登録講習の申し込みは、毎年3月頃までに済ませるのが条件ですので注意してください。
ステップ2:スクーリング
宅建の登録講習は通信講習を行った後に、会場でスクーリングを受ける形になります。
スクーリングとは、不動産実務に詳しい弁護士や税理士がテキストをもとに行う講義のことです。
丸2日間10時間をかけてスクーリングは行われますので、大変だと感じる方は少なくありません。
しかし、スクーリング講義の最中に担当の講師が最後の修了試験で出題する問題を教えてくれますので、しっかりと勉強しましょう。
ステップ3:修了試験
自宅講習とスクーリングで習った内容の修了試験に合格すると、宅建の登録講習は終わりです。
試験時間はスクーリング2日目の最後の1時間で、4肢択一式20問で出題されます。
以下では、宅建登録講習の修了試験の持ち物についてまとめてみました。
・従業者証明書(有効期限が切れている時はスクーリングの10日間前までにセンターに連絡する)
・修了試験受験票(1日目と2日目の出席票を兼ねている)
・登録講習テキスト(自宅に郵送された教材)
・筆記用具(鉛筆またはシャープペンシル、消しゴム)
・時計(スマートフォンや携帯電話を時計代わりにはできない)
最後の修了試験に見事合格すれば、登録講習修了者証明書が交付されて本番の宅地建物取引士資格試験で5点が免除されます。
他にどんな講習を受講しても、宅地建物取引士資格試験の一部免除はありません。
5点が免除されるのは大手の宅建の予備校や通信教育会社が行う登録講習だけですので、期限までに忘れずに申し込んでください。
宅建の登録講習の難易度は高いの?
「宅建の登録講習の難易度は高いのでは?」「実務経験が少ないと修了試験に合格できないのでは?」と不安を抱えている方は少なくありません。
しかし、登録講習の修了試験の合格率は70%以上と非常に高く、講師による講義のスクーリングをしっかりと受けていれば合格できますよ。
宅地建物取引士資格試験とは違い、登録講習の修了試験は受験者を落とすのが目的ではありません。
不動産業界のレベルアップや消費者保護が一番の目的ですので、基本的には宅建の登録講習を受講した人全てが最後の修了試験に合格できるようになっています。
もし修了試験に落ちてしまったのであれば、スクーリングで寝ていて講師の話を聞いていなかったのが原因です。
担当の講師で変わりますが、「はい!!ここは重要だから線を引いておいてください!」と教えてくれます。
宅建の登録講習の難易度は高くありませんので安心してください。
宅建の登録講習を受けるデメリットは?
結論から言うと、宅建の登録講習を受けるデメリットは特にありません。
強いて挙げるとすれば、1万円~2万円くらいの費用が発生するところでしょうか。
金銭面で多少の負担がある代わりに、宅地建物取引士資格試験の5点が免除されて合格に一歩近づきます。
一般の受験者と差をつけることができますので、大手の宅建の予備校や通信教育会社が実施している登録講習に申し込んでみてください。
まとめ
宅地建物取引士資格試験の合格率を上げたいのであれば、宅建の登録講習がおすすめです。
宅建の登録講習には、「試験の5点(5問)が免除される」「一般受験者よりも合格率が高くなる」「実務経験期間に関係なく受けられる」といったメリットがあります。
自宅講習とスクーリングを受けて、最後の修了試験に合格するだけでOKです。
宅建の登録講習の詳細については、大手の宅建の予備校や通信教育会社のホームページをご覧になってください。