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権利関係

留置権とは? 留置権の特徴、成立要件、対抗要件、同時履行の抗弁権との違い、などを解説!

留置権とは?

こんにちは、ジュンです。

今回は、宅建の「権利関係」科目で学ぶ「留置権」について説明します。

留置権をカンタンに言えば、

「貸したモノを返すまで、別のモノを預かっておく!」

という権利です。

この留置権は、権利関係の中でも民法の「担保物権」の項で学習します。

担保物権は、大きく「約定担保物権」「法定担保物権」に分かれており、このうち、留置権は「法定担保物権」の1種となります。

まずは、留置権の概要と具体例から見て行きましょう!

留置権とは?

留置権は、民法295条に記されています。

第295条

他人の物の占有者は、その物に関して生じた債権を有するときは、その債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができる。 ただし、その債権が弁済期にないときは、この限りでない。

留置権の具体例

たとえば、あなたがアパートの一室を借りていたとします。

ある時、あなたに非がないのにも関わらず、アパートの部屋の天井から雨漏りがしたとします。

困ったあなたは、大家さんに連絡しますが、大家さんはすぐには対応出来なさそうです。

しかたないので、あなたは大家さんの許可を得て、自分で工務店を手配して修繕をしてもらい、代金の支払いを立て替えました。

ここまでの段階で、あなたは「大家さんに対して債権を有する」状態となりました。

その後、アパートの契約終了時期になっても、大家さんから修繕代金の支払いがない場合、修繕代金が支払われるまで、あなたはアパートの部屋の明け渡しを拒むことができます。

カンタンに言えば、「修繕代金を支払うまで、アパートから出ないぞ!」と、間接的に代金の支払いを強制することができるのです。

※ただし上記の場合、留置する以上、通常の家賃は払い続ける必要があります。

これが、留置権の具体例となります。

留置権は登記ができない

留置権は登記ができません。

ただし、目的物を占有していることにより、第三者に対抗できますので、特に問題はないといえます。

担保物権とは?

冒頭に書いた通り、留置権は「担保物権」の一種です。

担保物権とは、債権者が債務者から債務を確実に返済してもらうための仕組みを持つ物権です。

債務者が持つモノに対する所有権に対し、一定の制限をかけるものとなります。

担保物権の特徴

担保物権には、次の4つの性質があります。

  • 付従性
  • 随伴性
  • 不可分性
  • 物上代位性

以下、それぞれを見ていきましょう。

付従性

そもそも、担保の目的となる債権がなければ担保物権は発生せず、また、その債権が消滅すれば担保物権も消滅してしまう、という性質です。

随伴性

担保の目的となる債権が譲渡などにより移転した場合、担保物権も一緒に移転する、という性質です。

不可分性

債権のうち一部を弁済してもらっても、全て弁済を受けるまでは、目的物のすべてに対して担保物権の効力が及ぶ、ということです。

前述の「留置権の具体例」でいえば、「修繕代金の半額を大家さんから支払ってもらっても、アパートの部屋を半分明け渡す必要はない(部屋を全て留置し続けることが可能)」というイメージです。

物上代位性

担保物権の目的物が売却、賃貸、滅失などにより、売上・賃貸料・保険金などに価値を換えたとしても、その新しい価値に対して差し押さえなどができる権利です。

※ただし、担保物権のうち留置権には、物上代位性は認められていないので注意が必要です。

法定担保物権とは?

「法定担保物権」とは、法律の規定において当然に成立する担保物権のことで、先取特権留置権が該当します。

約定担保物権とは?

「約定担保物権」とは、成立するためには当事者間の契約(合意)が必要な担保物権のことで、抵当権質権が該当します。

留置権の成立要件

留置権の成立要件は次の4点です。

1.債権と目的物の間に牽連性がある

「牽連性」とは、「関連がある」という意味です。

たとえば、「修理した自動車」と「修理代金」の間には、牽連性があります。そのため、自動車修理会社は、修理代金を払わない客に対し、修理した自動車を返却せずに留置することが認められます。

2.債権が弁済期にある

たとえば、債務の支払い日が来ていない場合は、留置権を主張することはできません。

3.留置権者が他人の物を占有している状態にある

他人のモノを占有していないと、留置することはできないからです。

4.占有が不法行為によって始まったものではない

他人のモノを適法に占有した場合に、留置権は認められます。

留置権の対抗要件

留置権の対抗要件は占有となります。これは、留置権の目的物の所有者が変わった場合でも主張することができます。

【ご参考】同時履行の抗弁権との違い

債権法における「同時履行の抗弁権」は、契約当事者間に発生する権利のため、目的物の所有者が変更になった場合、主張することができません。

留置権と善管注意義務

善管注意義務とは、民法400条に定められている「善良なる管理者の注意義務」の略です。

善管注意義務では、自己の財産に対する注意義務よりも重い注意義務が必要とされています。

その他、以下のワンポイントWebテキストも参考にしてみてください。