こんにちは、トシゾーです。
今回は、宅建業法の試験対策に関する記事です。
宅建試験においては、全部で4科目から出題されますが、その中で、もっとも出題数が多く、かつ、もっとも易しいと言われているのが宅建業法です。
宅建試験のなかで、宅建業法が一番カンタン?
と聞くと、初めての方は、ちょっと信じられないかも知れませんが、事実です。
そのため、宅建試験で合格される方は、みなさん、宅建業法では満点を狙って来ています。
実際、宅建業法で8割以上の得点を取らないと、合格は難しいでしょう。
このように、宅建業法で確実に高得点を取れるかどうかが、「宅建試験の合否を分ける境目」といっても過言ではありません。
今回は、そんな宅建業法の取り組み方について、詳しく説明していきます。
宅建業法の概要
宅建業法とは、「消費者保護」を目的とした法律
宅建業法の目的は、ずばり「消費者(顧客)の保護」です。
どのような商品・業界でも、消費者(顧客)の保護は大切です。
しかし、不動産業界のように、扱うものが住宅や土地の場合、非常に高額ですし、また、ほとんどの消費者にとっては、一生に何回も取引するようなものではありません。
つまり、業者(プロ)と消費者(素人)の知識やノウハウの差が、非常に大きいのです。
そのため、業者側にとって、とても厳しい規制として、宅建業法は作られています。
そもそも、宅建業法が出来たのは昭和20年代。当時の日本は太平洋戦争が終わったばかりの焼け野原で、悪徳不動産屋が顧客の消費者をだます事件が横行していました。
そのような状況を正すため、宅建業法が生まれた、という経緯があるのです。
宅建業法の条文は90条もなく、重要論点は過去問で出題され尽くされている
宅建業法の条文は90条もありません。1,000条を超える民法とは対称的な、数少ない条文から成立しています。
宅建試験で問われる宅建業法の論点も、そんなに多くありません。おおよそ300~400といったところでしょうか。
そのため、実は、宅建業法の重要論点はほとんど、これまでの過去問で出題され尽くされています。
だからこそ、宅建業法の学習においては、過去問対策が大切になってくるのです。
宅建業法の内容は、大きく3つ
前述のとおり、宅建業法の目的は「消費者(顧客)の保護」です。
その目的を実現するために、実際の条文は以下のとおり、大きく3つの内容から構成されています。
開業の規制
業務上の規制
監督・罰則
以上3点に加え、近年では住宅瑕疵担保履行法からも1問出題されるようになっています。
宅建試験における宅建業法の位置づけ(出題数)
概要はこれぐらいにして、宅建試験における宅建業法の出題数について見ていきましょう。
宅建業法の出題数は?
まず、宅建試験の分野別出題数を見てみましょう
権利関係 14問
法令上の制限 8問
宅建業法 20問
税その他 8問
以上のように、宅建試験全50問中、宅建業法では20問出題されます。
そのうち、開業の規制が約6問、業務上の規制が約12問、監督・罰則が約1問、住宅瑕疵担保履行法が1問、というのが典型的な出題数となります。
宅建試験における宅建業法の試験対策
宅建試験の宅建業法は、過去問を徹底的に繰り返すことがポイント
前述のとおり
対象となる法規は90条もない
問われる論点も、300~400程度しか存在しない
というのが、宅建業法の特徴です。
問われる論点は、すでに過去問で出題し尽されている、という説明もしました。
そうすると
何年分の過去問をやれば、すべての重要論点をカバーできるのか
という疑問が出てくると思います。それに対する答えは
過去10年分をやれば十分
ということになります。
10年分の過去問を繰り返せば、すべての重要論点をカバーできる
ちょっとカンタンな計算をしてみましょう
宅建試験の過去問においては、宅建業法は過去10年間に200問出題されています。
すべての問題は4択なので、200問×4択=800個の選択肢がこれまで出題されています。
重要論点は多くても400個です。つまり、ほぼ、宅建試験で出題されるべき論点は、過去10年分の過去問で出題され尽くしていると、いえるのです。
続いて、過去問第一主義をコンセプトにした「宅建業法の短期合格勉強法」を説明します。
宅建試験の宅建業法 短期合格勉強法
私が実践した、宅建業法の短期合格勉強法は、次のとおりです。
宅建試験の宅建業法 短期合格勉強法
①まずはテキストの宅建業法の章を、ひととおり目を通す
②テキストを読みながら、論点(章など)ごとに問題集を解く(例:「宅建士」の項を読み終わったら、「宅建士」の問題を解いてみる)
③宅建業法のテキスト・問題集を一周したら、続いて過去問10年分の宅建業法の部分だけ解く(主に、例年の過去問の問26~問45が宅建業法からの出題です)
過去10年×毎年20問×4択=全部で800個の選択肢を検討したことになります。
④解き終わったら採点し、間違えた問題はテキストの該当箇所を再度読み、確実に理解する
⑤正解した問題についても、テキストで簡単に復習
⑥過去10年分の宅建業法の問題が完了したら、2回目は、間違えた問題だけ解いてみる(過去問2周目)。
⑦ ⑥を、すべての過去問に正解するまで、何回も繰り返し続ける
いかがでしょうか。以上を行えば、過去10年間に出題された過去問の論点すべて押さえたことになるでしょう。
上記すべてを徹底的に理解することで、宅建業法20問中、16~17問は必ず得点できるようになります。
とはいえ、人間の脳は、一度覚えた知識でも放っておくと忘れてしまいます。
また、毎年1~2問は難問が出題されますので、さらに得点を上積みすることが必要です。
宅建試験本番までは、空いた時間を見つけ、宅建業法のテキスト全体を、少しずつ読み進めることで、記憶の定着と新しい知識の獲得に繋がる筈です。
以上を完璧に実施して、宅建業法における合格ラインをぜひとも突破してください。
宅建試験の宅建業法 攻略のコツ
前述のとおり、
いかに、10年分の過去問の論点を徹底的に対策するか
ということが、宅建試験の宅建業法の攻略のコツです。
出来るだけ早く、過去問に触れるようにしてください。
というのも、宅建業法には、ひっかけのような選択肢も多いのです。
答えが分かっていても、ひっかけ問題に引っかかってしまい、不正解の選択肢を選んでしまっては、どうしようもありません。
宅建業法の問題は、どのような出題のされ方をするのか
その独特の表現に慣れる必要があるのです。
また、宅建試験の4科目のなかで一番易しい、といっても甘く見るのはよくありません。
暗記すべき規制・数字等の知識も多く、それらをきちんと覚えておかないと正解できないのです。
規制・数字などは直前に再復習し、しっかり暗記を強化しておきましょう。
さらに、宅建試験自体は、例年難化する傾向にあります。
たとえば、個数問題と呼ばれる「4つの選択肢の中に、正しいものは何個あるか」という問題は、すべての選択肢の正誤を正確に判定する必要があるため、特に難易度が高いです。
毎年、数個(3~4個程度)出題されますので、前述のとおり、正しい暗記のための復習はを忘れないでください。
法改正のポイントが出題されやすい
宅建士試験は、毎年4月1日現在の法令を基準に設問が作られます。
「その年の改正点はスルーする」という国家試験も多い中、宅建士試験においては、「改正点は、特に狙って出題されやすい」という特徴があるのです。
市販テキストや通信講座などでは、試験直前に「補足事項が出版社Webサイトに掲示」されたり、追加説明資料が送られてきたりします。
そういった追加(補足)資料についても、適切に対応する必要があるでしょう。
まとめ
ここまで、宅建業法の概要や試験対策、勉強方法、攻略のコツまで見てきました。
宅建の出題科目のなかで、もっとも出題が多く、もっとも難易度が低いとされるのが宅建業法ですが、
過去問を中心にきちんと対策をすれば、全く問題ありません。今回の記事で説明した内容を実践して、ぜひ合格して欲しいと思います。
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「宅建業法」以外の「権利関係(民法等)」「法令上の制限」「税その他」の科目については、下記記事を参考にしてください。
著者情報 | |
氏名 | 西俊明 |
保有資格 | 中小企業診断士 , 宅地建物取引士 |
所属 | 合同会社ライトサポートアンドコミュニケーション |